やきもち  −1−

 

 

バイトが終わって外に出ると花沢類が迎えに来てくれてたいた
壁に持たれて軽く腕を組んでる姿は、
誰にも見せたくないほどカッコいい
付き合って一年も立つのに未だにドキドキしちゃう

花沢類の所に駆け寄ろうとした時に、バイト仲間のみなちゃんに
呼び止められて

「今日の飲み会は絶対参加だよ〜。牧野さん今月で
 ココ止めちゃうんでしょ?
 今まで一回も行ったことないんだもん!牧野さんの送別会も
 兼ねてるから絶対に連れて来いって言われてるのよ!
 行こうよっ。それに名波君もすっごいたのしみにしてたよ」

はぁ?名波君・・??なんであの子がたのしみにしてるの???
ほとんど話した事もないのに
頭をクエスチョンマークで一杯にしながら

「うーーん、嬉しいんだけどね、行きたいんだけど、今日は
あの、あのね、、、」

花沢類の事を彼氏だなんて紹介するのもテレてなかなか
言い出せずにもごもごしてると、いつの間に隣に来たのか
花沢類があたしの腕をしっかり掴んでにっこり笑って

「こんばんは、牧野の彼氏です。彼女の送別会なら行かなきゃね。
 名波君にもあいさつしとかないとね。」

なんて驚くような事を口にしてさっさと歩き出す

もうみなちゃんなんて目がハートマークになっちゃっててメロメロだよ

・・・なんで、花沢類が名波君にあいさつするんだろう???
それに花沢類まで参加するの〜?!!!
あの他人嫌いがどう言う風の吹き回だ???

うちのバイト先、めちゃめちゃ女の子多いんだよ・・・
なんか、やだなー。

久しぶりに会うんだから二人でお茶して散歩してなんて考えてたのに
どうしちゃったのよ、花沢類!

お店に入ると思ったとおりのみんなの反応、花沢類に向けられる
熱い視線
すぐに女の子達に囲まれてあたしだけ蚊帳の外に追い出されてる
当の本人は至って無愛想に素知らぬふうだけど

なんだか両脇女の子に挟まれてる花沢類を見てると
胸の辺りがモヤモヤして目の前にあるグラスに入った
ビールをぐいッと一気に流し込んだ

なんだろ?この気持ち・・・あの人が女の子に人気があるなんていつもの事なのに。

空になったグラスをテーブルに少し乱暴に置くと、いつの間に隣に座っていたのか名波君がいて、いい飲みっぷりだね〜 
とかなんとかいいながら注いでくれた。

「牧野サンのカレシ?めちゃくちゃかっこいいね。 
 あんなに女に囲まれちゃって   
 カノジョとしては気が気じゃないよねー。寂しいんじゃない?
 オレだったらさみしい思いなんてさせないよー」

軽薄そうにかるグチたたいて馴れ馴れしく肩なんかに
手を回しながら訳のわからない事言ってる

あたし、あんたとそんなに話したことないのに。なによっ

そんな事をボーっと考えながらビールを飲んでいたので
回された手を払いのけるのも忘れてた


そんなあたし達を睨みつけてる花沢類になんてまったく
気付かなかった

 

 

−2−

我に返って、肩に回ってる手を払いのけて、名波君に
丁重にお断りしようと彼の方に顔を向けたら、反対側から
手が伸びてきて名波君の手がポイッと払いのけられて、
あたしは頭ごとグリッと回された方向に向きなおすと

じろりと怖い目つきで名波君を睨みつけてる花沢類・・・
たじろぎながらも目をそらさない名波君・・・
間に挟まれてるあたし・・・


凍るような空気の中でついついお酒が進んでしまう

花沢類は名波君に見せつけるようにあたしにぴったりくっついて
髪を撫でたり、頬に手を当ててきたり、指を絡めてきたり・・・
ちょっと段々エスカレートしてきてるよーっ!!
名波君も目のやり場に困って来てるじゃん!!!

飲みすぎて火照ったのと、花沢類のすることにドキドキして
火照ったのを、外の空気で冷まそうと一声掛けて席を立った。

ガードレールに腰掛けて星も見えない空を眺めながら深呼吸する

「ハァ〜・・・」

あんな花沢類は始めてだ。いくら鈍感なあたしでもわかる
ヤキモチ・・・かな。なんだか照れくさくて、でもすごい嬉しいかも

だめだ・・・顔がにやけちゃうよ。

けど、花沢類が女の子達に囲まれてるのを見てモヤモヤしたのも
ついつい飲みすぎちゃったのもヤキモチだよ

普段、西門さんや美作さん達ともなかなか飲みに行ったりしない人が
みなちゃんの誘いには簡単に乗っちゃったから腹が立ったんだ

「くすっ、また一人で百面相してんの?」

「ぎゃっ〜!花沢類、びっくりするじゃない、い、いつからいたのよ
 も、もしかしてあたし・・・また大きい声で独り言を・・・」

「くすっ・・・ヤキモチだよ。牧野あんな奴に肩組まれてちゃって、
 オレ意外に触らせちゃだめなのにさ。 殺菌しなきゃネ」

そういいながら優しく抱きしられて耳元で 
同じ気持ちで居てくれてすっごい嬉しいよ・・・ なんて囁かれたら

もうドキドキが止まんなくて、ここが道端だなんて事も忘れて
花沢類の熱いキスに酔いしれちゃった。

「牧野、オレもう我慢できない。早くオレの部屋に行こう?」

その一言で我に返ってジタバタ暴れてみるけど、
全然離してもらえなくて・・・
結局、花沢家の運転手さんが来るまでの間中ずーっと
路上でラブシーンのご披露・・・


飲み会もそのままトンずら状態だし、あたし達ってもしかして
はたからみたらものすごくバカップルなのかも・・・


だけど幸せだからいいや、大好きだよ!花沢類

 

 

 

*1につづく-R-があちらにおいてあります
  良ければあわせてお楽しみください〜

 

 

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