in the starlight

 

 

夜11時、突然なるケータイ
液晶を確認してウキウキしながら出る

「牧野、下に降りてきて。」

それだけ言ってブチッと切れたケータイをしばらくボーゼンと
眺めて、ハッと我に返って窓を開けて下を覗くと
電話の相手が車にもたれ掛かってニコッと笑いかけてくる

その笑顔はまるで天使のようで、街頭に照らされた薄茶の髪は
ますます光り輝いて見え、本物の天使さながらだ・・・

・・・なんて見とれてる場合じゃなくて!

慌てて身支度をして玄関から飛び出し、いとしの天使の元へむかう

「花沢類!どうしたの?夜中だよ・・仕事終わったの?」

色々聞いてるのにそんなのお構いなしに車に乗せられて
そのままアクセルを踏み込んで出発してるよ・・・

「ねぇ、ドコいくの?」

「ひみつ。天国みたいに気持ちいいトコかな・・・くすっ。」

そう言ったきりニコニコしながら、珍しく鼻歌なんか口ずさんで
運転する花沢類

なんなの・・・ドコに連れていかれるんだろ・・・
考えすぎて、そのままいつものように眠っちゃう・・・。

花沢類に着いたよって優しく起されて、車から降りると
そこは・・・夜の海だった
辺り一面見渡す限り真っ暗で、あたし達以外に誰もいない

すこし歩いて防波堤の方へ行き二人並んで腰を下ろし
空を見上げて、息を呑む・・・

まるで世界中の宝石を集めて散らばせたような
綺麗に光輝く星達の数々
見渡す限り夜空いっぱいに広がっている

「・・・きれい・・・」

おもわず呟く。

「牧野に見せてやりたかったんだ。」

東京の空とは比べものになら無い美しい夜空の輝く星達を・・・
星達をひとつひとつ目で追うと地球が丸いのがわかるくらいに
たくさんの輝き・・・
そしてどこまでもつづく水平線・・・

「いつも見てる夜空は何枚も何枚もベールが掛かってるからね・・・
 こうしてホントの星空を牧野に見せたかったんだ・・・」

花沢類は薄茶のビー玉みたいにすき透った瞳であたしを見つめ
優しく微笑みながら言う

そんなすてきな花沢類に
綺麗な夜空の星々に、酔いしれちゃう・・・
頭の芯から痺れてきちゃう・・・

「本物の星空の下で、牧野に言いたかった・・・」

「な・なに・・・?」

まっすぐにあたしの目を見つめて花沢類が搾り出すように言う

 

「 ・・・オレとケッコンして 」

 


ポケットから取り出されたビロードの小さな箱を目の前で開け
あたしの左手の薬指にそっと嵌める。

そして花沢類は天使のように微笑みながらあたしの頬に触れる・・・
そっと優しく、壊れ物を扱うように優しく触れる・・・

頬に触れられた手を取り、つよく握り締め花沢類を見つめて

 

「あたしも・・・花沢類とケッコンしたい。このままずっと一緒に居たい」

 

いつもは言えない素直な自分の気持ちを、花沢類に告げる
本物の星空のしたで意地っ張りな自分でいたくないから・・・

花沢類はすごく嬉しそうに頷いて、そのままあたしを優しく抱きしめた


離さない、離れない・・・
ふたりで本物の星達に誓いながら、
零れ落ちそうなまばゆい夜空の下でキスを交わす

 

 

 

end

 

 

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