*゜・:* 早朝メールチェック*:・゜*。

 

 

 

「おはよう、花沢類。起きてる?今日は天気いいね。」

 

あたしが花沢類と付き合う様になって増えた習慣

朝、携帯からメールを送る様になった

おはようの一言とランダムな其のときの心情

そんな事を繰り返す様になってもう3年くらい

変わって返って来るメールもそっけないと言えばそっけない

おはよう、まだ眠い、雨降りそう。とか.....

他の人に言わせればそれってメールの意味あるの?

なんて言われそうな内容の無いもの。

元々あたしはメールをするのは得意ではないし

花沢類だってそこまでメールにのめり込むタイプではない

でもそれがあたし達の朝の習慣になっているのは確かで

それが無いと一日が始まらないと言っても過言ではない


まぁ、寝坊助な花沢類を起こす為の外套手段でもあるんだけど....



日が昇る前の、まだ青い世界が支配する朝の微睡みに抱かれ

うとうととしている所を鳴り響く携帯の電子音に起こされる。
.

....携帯?目覚ましじゃなくて?

はっきりしない頭で携帯へと手を伸ばす

液晶のディスプレイに表示されたメール着信のアイコン

液晶に表示された時間は朝の6時半

いくらあたしが早起きだからって寝たのが2時を回ってたから

まだ眠りたい。しかも今日はまた夜遅く迄起きてる予定なのだ

....誰よ、こんな朝早くからメールしてくるなんて。

布団の野かでごろごろとしながらメールを開ける

するとそこには花沢類の三文字




.

...何かトラブルでも起きたのかな....

ドキドキしながら受信ボックスを開けてみると

"おはよう、牧野、いつも朝メールくれて有り難う"

との文字。....なんなんだ。こんな朝にこんなメール

"ううん、気にしないで。楽しんでるから、どうしたの?

こんな朝早くに、....もしかして何かあった?"

と、返事を返すとすぐ後にまた電子音が響く

"ん、ちょっと。牧野に会いたくなって。"

......朝早くから何なんだ、花沢類の思考回路はどうも

いつでもあたしや他の人の考えを上回っていて読めない

"もう少ししたらくるんでしょ?すぐ会えるじゃない"



...そう、今日は花沢類の誕生日、何をしようか。なんて

色々考えていたけど、花沢類が、牧野の部屋で一日過ごす

なんて言ったから昨日の夜、部屋を綺麗に片付けて

それでケーキもご飯の下ごしらえも、全部済ませた

お陰で寝るのが2時を過ぎてしまった......

"今すぐ牧野に会いたい"

....なんてベタなメールが帰って来た。

凄く優しい花沢類だけれど、この王子はたまに

我が儘王子と化して、手がつけられなくなる。

我が道を行く人だとは思ってたけど、子供っぽいとは....

"わかった、じゃぁ、後30分くらいしたら来て"

そうメールを打ってベッドから抜け出し、顔を洗いに行く

キッチンにお湯を湧かしに行くと玄関先からクシュン...と

小さくだけど、物音が聞こえた。きっと普段なら聞き流してる

けど、何か胸につっかえるものがあり、気になって仕方ない

そぉっと玄関のドアを引くと何の重みか、一気に開いた



「....花沢類....。」

ドアに凭れていたのか、倒れ込む様に玄関へと傾れ込んで来た

「....おはよ。牧野」

「.....おはよ...じゃなくて、なんで...。」

あっけにとられて何も言えないでいると、徐に立ち上がり

会いたかったから来ちゃった。と言うと頭のてっぺんにキスを落とされた

「....いつからいたの?」

「ん。ついさっき。」

そう言う花沢類の手は凄く冷たい。まだ春先の気紛れな気候は

暖かさも運んで来るが、太陽が登ってすぐのこの時間

まだまだ外は寒い、寒気に晒されていたのだろう。

「....うそつき。なんで来たときに言わなかったの?」

取り敢えず冷たい彼を家の中に入れ、ドアを閉める

ヒーターを入れに部屋の隅に行こうとすると、腕を引かれ

「牧野がいい。牧野があたためて」

そういって抱きしめて来た。



ひんやりと冷えた唇があたしの唇と重なって徐々に体温が戻る

奪う様に重ねられた唇だけれど、どこまでも優しい行為

離れるのを惜しむ様に甘く唇を噛んで離され、胸に抱きしめられる

細身なのに以外と引き締まっている大きな胸からはまだ冬の朝の匂いが

花沢類が愛用してる香水の仄かな香りが、ふわりと混ざり合って鼻をくすぐる

「どうしたの?花沢類。なんか凄く....落ち着きないよ?」

くすくすと笑って見上げてみると、熱っぽい視線とぶつかる

「....昨日、父さんと話し合ったんだ。」

視線を逸らす事無く、まっすぐに見つめて来る瞳

「....そっか。じゃぁ、今日は思いっきり愛して?

これから一生生きて行ける様に。」

まっすぐ見つめて来る彼を見て、一瞬瞳が潤みそうになるのを感じた

だけど、涙は未だ出ない。彼が居なくなってから思いっきり泣ける

彼の脳裏に焼き付いているのは笑顔のあたしであって欲しいから

まっすぐ見つめて、微笑みを浮かべる

身分違いの恋。また道明寺と同じ様な事が起こるんじゃないかと

心の奥底でいつもビクビクしてた。だけど、花沢類が求めてくれるから

あたしの心が彼を求めて止まってくれなかったから

傷ついてもいいから。と覚悟を決めて始めた恋



「......ね、牧野。」

「何?」

でもやっぱり何となく真っ直ぐ見つめていられなくて、胸に頬を寄せた

「.....何か勘違いしてる様だから、言うけど....父さんと話したのは

会社での人事異動の事だよ?」

「え?」

予想外の花沢類の言葉に思わず彼を見上げてしまう

「まぁ....将来の事に関しても話したけど...。」

....やっぱり。

「そう。」

「牧野」

「ダメ、今日の終わりに聞くから。」

せめて今日一日は楽しみたい。終わりなんて来て欲しくない

けれど、こんな早くにではなくて、せめて最後に聞きたい

「聞いて」

「嫌、せめて最後に聞きたい。」

綺麗に掃除した部屋も、折角作ったケーキも、ご飯も、色々悩んで

用意したプレゼントも、何一つ楽しんでないから。

「俺..」

「今聞きたくない」

「俺と結婚して」



.

...........。

「.......え?」

「...俺と結婚しよ?いいよね?」

抱きしめていた腕を緩め、徐に手を取られた

片手で手を取られ、何かを嵌められる感触

.........ええ?

あたしはまだ夢の中に居て、夢でも見てるんだろうか?

「え?」

「父さんとは話し合ったし、承諾も得て来たから。」

にっこりと少し赤くなりながら微笑む花沢類は抱きしめたいくらい可愛い。

「それが言いたくて、待てなくて来た」

少し照れながら笑う花沢類

......ちょっと待って、今なんていった?えっと........

結婚とか言ったよね、承諾して......結婚。

.......ええ?!




「それってプロポーズって事?!」

抱きしめられている腕から逃げ出し、向かい合う

「うん」

「承諾って、花沢類のお父さんはあたしとの結婚、許してくれるって?」

「うん、好きにしなさいって言われた。いいよね?」

「うん...。」

....大学の途中から付き合いだしたあたし達。確かに、もう3年付き合ってる

幸せがいつまで続けばいいなとは思っていたけれど.....

結婚?あたしが?花沢類と?しかも反対されない.....の?

付き合うだけならなにも言わないと言われていたけれど.........



.......ってプロポーズ?
.....

プロポーズってもっとこう、ロマンチックに....
.

................................。

「......パジャマ.....。」
「ん?」

「花沢類!あたしパジャマなんだけど!」

「ん、見れば解るけど」

「.....まだ髪も梳かしてないし、メイクだってお洒落な服だって着てない!

言うなら、起き抜けの一番イけてない格好なんだけど!?」

「....まぁね。どんな牧野でも可愛いけど」

....あっさりと砂糖吐きそうな台詞を易々と.......

「しかも、ここ玄関!」

「うん。靴履いたままなんだ、脱いで入っていい?」

.....The★マイペース王子、鋭い癖にこういう所は鈍い.......

「......。」

「あ、牧野、ヤカン鳴ってる」

「.....。」

....そうよね、だって、花沢類だもん....ふふ.....ふふふ。



「...上がって。」

「ん、ありがと」

さっき迄の思い詰めた熱い視線は何処へやら、いつもの様に微笑んでる彼

......あたしの苦渋の判断も、想いも何処へ持って行けばいいのだろうか

ガスを止めて、紅茶を入れようとしたら後ろから抱きつかれて

「牧野。寝よ?」

なんて呑気な声が聞こえて来る

は?

「....昨日寝てないんだ、牧野も昨日遅かったでしょ?最後にメール来たの

2時過ぎてたし、眠いでしょ?だからもう一回一緒に寝よ?ね?」

そう言うとぐいぐいとさっき迄寝ていたベッドまで連れ戻された

「ちょ...花沢類っ。」

先程迄惰眠を繰り返してたベッドに抱かれたまま連れ戻され

ちゃっかり布団まで被ってる。起きようとしても

しっかり腰に腕が回っていて逃げ出すにも逃げ出せないでいる

「.....やっと牧野目覚ましが手に入ったんだ。嬉しいな」

「え?」

ぼそりと訳の分からない事を言い出す花沢類

何と言って聞き直したけれど、答えてくれなくて

暫く頑張って聞き続けていたけれど、隣から伝わる花沢類の体温と

彼の眠気が移って来たのか段々重くなる瞼に逆らえず目を閉じる

「誕生日おめでとう」

なんてついでみたいにおめでとうの挨拶

「...ありがとう」

帰って来た返事もまた微妙....

まぁいっか....と思い、心地よい眠りに落ちて行った

起き掛けに婚約したんだし引っ越そうね?なんて言われるのは数時間後の話



そして、花沢類の罠にいつもの如く嵌り、引っ越した次の朝

「花沢類、起きて、朝だよ」

隣の部屋で寝る花沢類を起こしに行く

「ん...。おはよ、牧野」

...うう、寝起きの花沢類はぽわぽわしてて可愛い。

サラサラな髪の一部がぴょんと跳ねてたりして更に可愛いさ倍増

「起きて。ご飯できたよ」

そう言って部屋を出て行こうとすると

「...ん。牧野」

「何?」

「今日はメールくれなかったね」

「え?」

「早朝のおはようメール。この3年間と20日ずっと送ってくれたのに」

あふ....と欠伸をしながら言う花沢類

「ええ?一緒に暮らしてるんだからもういらないでしょ」

「...ま、いいや。牧野が毎日メールしてくれたから

これからはずっと俺が毎日あげる事にする」

にこりと微笑む花沢類

「...何?メールなんていらないわよ」

「違うよ。おはようのキス」

なんて馬鹿な事を言うとほっぺにちゅっと柔らかい感触

「....!!!!」

そうして早朝メールチェックがおはようのキスに変わり

上機嫌な類と言葉の出ないつくしの朝が始まるのでした。

 

 

 

 

 

■ひとりごと■

Tu me plais.の晏莉さんから頂いちゃいました(≧▽≦)
こんなkokuma@のBDに持って帰っていいと仰ってくれたので
遠慮もなしに速攻で強奪させて頂きました。

晏莉さん、ほんとに素敵な贈り物ありがとうございます

もう、晏莉さん節が炸裂で
ウットリしまくりで鼻血だしまくり←興奮しすぎでうるさい!

パソ前でニヤニヤしまくりで、クネクネしまくりで
めちゃめちゃ挙動不審になりながら大喜びしてます

さぁさぁ、みなさんもモダエなされ。

フフフ・・・・・・・・。
イヒヒ・・・・・・・・・・・・。
ヘヘヘ・・・・・・・・・・・・。

(↑とうとう壊れた様子)

 

 

*コチラの作品の無断転写もちろんご遠慮願います

 

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